金属片混入で628万個回収!それでもよつ葉バターを応援したい理由

2025年4月に発生したよつ葉乳業のバター自主回収は、通常なら企業イメージを大きく損なう事態が起きました。
しかし、驚くべきことにSNS上では、批判ではなく応援の声が!

なぜ消費者はよつ葉バターを擁護したのか、そして私たちが応援したくなる日本企業の条件とは何か。今回の事例から見えてくる、企業と消費者の信頼関係の本質に迫ります。

よつ葉バター自主回収事件

2025年4月15日、北海道を拠点とするよつ葉乳業株式会社が、同社のバター商品に金属線が混入している可能性があるとして、約628万個という大規模な自主回収を発表しました。この発表は、食品業界に波紋を広げましたが、同時に企業の誠実な対応として多くの消費者から注目を集めることになりました。

回収対象となったのは、北海道音更町の自社工場で製造された「よつ葉バター(無塩)150g」「よつ葉北海道バター(加塩)150g」を含む13種類の商品です。

これらは北海道を中心に全国で販売されており、外箱に印刷された製造管理番号が「CC」で始まり、賞味期限が2025年4月8日から2025年10月8日までのものが対象となっています。

■回収対象の商品一覧

1. よつ葉バター 加塩 150g

2. よつ葉バター 食塩不使用 150g

3. よつ葉バター 減塩 150g

4. よつ葉 北海道バター 加塩 150g

5. よつ葉 北海道バター 食塩不使用 150g

6. CGC北海道バター 150g

7. CGC北海道バター 食塩不使用 150g

8. COOP生協バター 150g

9. CK 北海道十勝バター 150g

10. V マーク VALUE PLUS 北海道バター 150g

11. V マーク VALUE PLUS 北海道バター 食塩不使用 150g

12. セブンプレミアム 北海道バター 加塩 150g

13. セブンプレミアム 北海道バター 食塩不使用 150g

事の発端は4月上旬、一般消費者から「バターに金属のような異物が付着している」との指摘があったことでした。

よつ葉乳業は迅速に調査を行い、長さ18ミリ、太さ0.07ミリのステンレス製の線が混入していることを確認。製造ラインのベルトに不具合が生じ、ベルト内のステンレス線が飛び出して商品に混ざったと特定しました。

注目すべきは、よつ葉乳業の対応の迅速さと徹底ぶりです。健康被害の報告はなかったにもかかわらず、同社は記者会見を開き、「大変なご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。品質管理体制をさらに強化し、再発防止に努めます」と公式に謝罪。

消費者の安全を最優先に考え、可能性のある全商品の回収を決断したのです。

よつ葉バターの批判ではなく応援の声

通常、食品への異物混入事件が報告されると、SNS上では批判や非難の声が相次ぐものです。しかし、よつ葉バターの事例では状況が大きく異なりました。

発表後、SNS上では「よつ葉バターが好きだからこれからも買う」「回収対象商品だけどこのまま使い続ける」など、よつ葉乳業を支持・賞賛する声が続出したのです。

特に注目すべきは「よつ葉を外資に渡すな」といった投稿が多数シェアされ、中には2.5万件の「いいね」、2000件以上のリポストを集めた投稿も見られたことです。

これは単なる製品への支持を超えた、企業そのものを守りたいという消費者の強い思いの表れと言えるでしょう。

この「外資に乗っ取られる」という懸念に対しては、「陰謀論だ」という反論も多く見られました。

実際、よつ葉乳業は非上場企業であり、株式市場から買い占められる心配はないものの、こうした議論が巻き起こること自体が、消費者のよつ葉乳業への強い愛着と関心を示しています。

すき家や出前館など、近年他の食品関連企業でも異物混入事件が報告されていましたが、それらへの反応とよつ葉乳業への反応は対照的でした。一般的に企業の不祥事に厳しい消費者が、なぜよつ葉乳業に対してはこれほどまでに寛容で、さらには積極的な応援の姿勢を示したのか。その背景には、長年培われた企業イメージと消費者との信頼関係があったのです。

よつ葉乳業が支持される4つの理由

よつ葉乳業がこれほどまでに消費者から支持される背景には、主に4つの要因があると考えられています。

一つ目は、問題に誠実に向き合う企業姿勢です。今回の異物混入が顧客からのクレームで発覚した後、よつ葉乳業は約628万個もの商品回収を即座に発表しました。これは迅速かつ最大限の対応であり、問題の矮小化や隠蔽を図らない姿勢が高く評価されたのです。

二つ目は、「誠実に事業を行っている」という強固な企業イメージです。よつ葉乳業は長年にわたり品質へのこだわりを前面に出した商品展開を行い、消費者の間で信頼のブランドとして定着していました。一度の事故でそのイメージが簡単に崩れることはなく、むしろ誠実な対応によって信頼感が強化された形となりました。

三つ目は、リピーターやファンの多さです。よつ葉バターは多くの消費者に日常的に愛用されており、その固定ファンは製品の質や味に強い信頼を寄せていました。ファンの存在は危機的状況においても強力な支持基盤となり、SNS上での擁護的な意見の広がりにつながったと考えられます。

そして四つ目は、業界の超大手ではないという企業規模が、消費者の「応援したい」という感情を生み出したことです。バター市場における競争の中で、よつ葉乳業は「上場企業に対抗してよく頑張っている」という印象を多くの消費者に与えており、この親しみやすさと挑戦者的なポジションが、異物混入という危機に際しても「応援しよう」という思いを強く喚起したのです。

企業危機対応から学ぶべきこと

よつ葉乳業の今回の対応は、企業の危機管理における模範例として多くの示唆に富んでいます。第一に評価すべきは、透明性のある情報開示です。金属線が混入した原因について、製造ラインのベルトの部品が破損し、金属線が切れて製品に混入した可能性があることを具体的に説明。問題の原因を特定し、明確に公表したことで消費者の不安を最小限に抑えることに成功しました。

第二に、迅速かつ最大限の対応が信頼を生み出しました。健康被害の報告がない段階でも、自主的に628万個という大規模な回収を決断。これは目先の損失よりも消費者の安全と信頼関係を優先する姿勢の表れであり、結果的に企業イメージの向上につながりました。

第三に、日頃からの信頼関係構築の重要性が浮き彫りになりました。よつ葉乳業は長年にわたり品質と誠実さをアピールし続けてきました。その蓄積があったからこそ、一度の危機的状況でも消費者からの強い支持を得ることができたのです。企業の評判は日々の活動の積み重ねでしか築けないという教訓が見て取れます。

注目すべきは、混入物が生物ではなく金属片であったこと、健康被害が確認されていなかったこと、原因が特定されていたことなど、いくつかの好条件があったことも事実です。しかし、それを差し引いても、よつ葉乳業の対応は、危機的状況における企業行動の手本といえるでしょう。

危機は避けられなくとも、その対応次第で企業の評価を高めることさえ可能だということを、この事例は私たちに教えています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
よつ葉乳業さんは、私たち消費者が「応援したい、これからも残ってほしい」と思える日本の企業です。このような食の安心、安全を守る企業をこれからもご紹介させていただきます。

またこれからも私もファンとしてよつ葉乳業、バターを購入させていだきます。

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